- 歯がないところの骨に、人工の材料で作った歯根を埋め込んで、その上に歯冠を作って、失った歯を回復させることをいいます。 1本歯がない場合から、全部歯を失ってしまった場合まで、広く応用できる優れた治療です。
- メリット
- ・インプラントは骨に人工歯根を埋め込むため土台となる歯はいりません。
- ・周囲の歯を削ることはありません。
- ・骨にしっかり固定するので自分の歯と同じように噛むことができます。
- ・残った歯や顎の骨を守ることができます。
- デメリット
- ・インプラントには手術が必要です。
- ・治療にある程度の期間がかかります。
- ・お口・身体の健康状態によってはできない場合があります。
- ・インプラント治療には健康保険が利用できません。
- 入れ歯の場合
- ・入れ歯は取り外し式で食事のたびにお手入れが必要です。
- ・お口の中に装着した時の異物感があります。
- ・ご自分の歯に比べると20%~30%程度の噛む力しかなく、歯茎が圧迫され痛みも出やすい。
- ・入れ歯を固定するバネが目立つ。
- ・入れ歯を固定するバネが健康な歯に負担がかかる。
- ・入れ歯を固定するバネに細菌が付着しやすい。
- ブリッジの場合
- ・隣の歯(健康な歯)を削って土台にし橋渡しにして補う方法。
- ・土台となる歯に大きな負担がかかり、場合によっては折れてしまうこともあります。
- ・清掃しにくいので細菌がたまりやすく歯周病の原因になりやすい。
- インプラントについて治療方法・費用・期間などご説明
- インプラントについての説明や治療の流れ、費用・期間を説明し、患者様のインプラント治療に対する理解を深めていただき、ご希望に合った治療方法であるかご検討いただきます。
- 検査については、レントゲン撮影・口腔内写真・口腔内診査・歯周ポケット測定・歯の模型を作ります。その他全身疾患、または服用中のお薬などの問診も行います。
- さらに、顎の骨の状態を詳しく調べるために、CT撮影・診断を行います。
- ※診断の結果インプラント治療が行えない場合がございます。
- ※保険適応外です。
- CT撮影診断・治療計画の説明
- 顎の骨の状態を詳しく検査。
- 治療計画の説明。
- STEP1での検査資料を元に診断し、より詳しい治療計画のご説明をします。
- インフォームドコンセント(十分な説明と理解)が十分に行われてから治療を開始します。
- 手術直前にインプラント部位周辺の除菌・殺菌・清掃を行います。 術後の感染を防ぐためにも非常に大切な処置です。
- 除菌クリーニングの内容
- ■プラーク除去
- 超音波ブラシでプラーク(歯垢)をすみずみまで取り除きます。
- ■イリゲーション
- 歯肉の内側を除菌・殺菌超音波イリゲーションによりバイオフィルムを破壊し、免疫殺菌水にて歯周病原菌を溶菌マクロファージの活性化を阻止する治療法です。
- インプラント埋入手術
- 人工歯根(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込みます。
- 一回法と二回法の二種類があり、一般的には二回法が主流となっていますが、お口の中の状態によってよりよい方法を選択します。 手術時間は処置内容によって異なりますが、約1時間程度です。 抜歯をするときと同じ麻酔をし、術中に数回CT撮影にて埋入の確認をします。
- 埋入したインプラントが骨と結合するまで安静期間を置きます。
- 骨の状態や治療部位によって異なりますが、2ヶ月から6ヶ月ほど待ちます。
- 二回法の場合は、簡単な外科手術で歯肉を切開し、アバットメントと連結しお口の中に歯の土台を作ります。一回法の場合は、 骨との結合が確認され次第、上部構造の制作を開始します。
- 上部構造ができあがったら、咬合、清掃性、咀嚼性、自然観など日常生活での使用後の状況を確認、必要に応じて調整を行います。
- およそ3ヶ月に1回のペースでオーラルクリーニングを行います。
- 専門的な予防処置、除菌クリーニングや必要であれば口腔内検査を行います。
- これは、インプラントの部分だけではなく、お口健康を守るために行います。
- Q.1 年齢は関係ありますか?
- 年齢の上限はありません。日常生活がご自身でできる程度、具体的には階段の上り下りが一人でできる程度の体力があればインプラント手術を乗り越えることができます。若年者においては成長発育が終了した時点、20歳が一つの目安です。
- Q.2 どれくらい長持ちするの?
- 適切にメンテナンスをなされれば、 現在は10年後に90%以上のインプラントが機能しています。
- ただし、インプラント治療により噛み合わせの安定を得る ことはできますが、歯のなくなった理由や欠損の程度によって、 その後のリスクは大きく影響を受けます。
- そのことを知っていただいて上で、適切なセルフケアと メインテナンスによって、長期的な安定を維持していただくことが可能です。
- Q.3 喫煙者ですが大丈夫ですか?
- 禁煙が可能であれば、少なくとも手術の数週間前から禁煙をしていただくことが望ましいでしょう。
- Q.4 骨量とは何ですか?
- 最も重要なことは骨量(骨の幅と高さ)です。不十分な骨に植立インプラントは長期性に乏しいと考えます。骨の状態が良好であればそのままインプラントを植立できますが、骨幅や骨高などの条が厳しい場合には、骨の造成処置が必要な場合があります。
- Q.5 全身疾患の既往があります。
- コントロールされた状態であれば、全身疾患既往があってもインプラント治療は可能であると考えられています。しかし、健常な患者様に比較して手術時のリスク、予後に対するリスクが大きいのでしっかりコントロールをしましょう。
- 糖尿病
- 高血糖が長く続くことにより白血球の機能低下が起こり感染しやすい状況に陥ります。
- 心臓疾患
- 服用中のお薬、担当医師の情報提供など現在の状態を確認する必要があると考えます。
- 骨粗しょう症
- 治療薬として「ビスホスホネート」を投薬されている方は必ず医師に伝えてください。
- 健康保険制度の中に、高額医療となった場合、その費用の自己負担額を軽減してくれる制度があります。これを高額療養費制度といいます。
- どのような制度かといいますと、重い病気などで医療機関に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。
- そのため家計の負担を軽減できるように、一定の金額を超えた部分が払い戻されるのが、高額療養費制度です。
- ただし、高額療養費制度で払い戻されるのは、公的医療保険から支払われる医療費のみです。
- 保険給付の対象とならないインプラント治療は含まれません。
- しかし、インプラント治療は医療費控除の対象にはなりますので、インプラント治療を受けられる方は、確定申告の際に申請することをお勧めいたします。
- 医療費控除
- インプラントは医療費控除の対象になります。美容目的でなければ歯科の治療のほとんどがインプラントを含めて医療費控除の対象になります。インプラント医療費控除は必ず利用しましょう。
- インプラント医療費控除を利用する手順
- 1.領収書を集める。
- インプラントで医療費控除を利用するにはまず領収書を集めます。インプラントの治療費はもちろんですが、1年間の医療費と交通費などが対象となります。
また生計が一緒の家族の分も対象になりますので、忘れないようにしましょう。
松葉杖、ドラッグストアでの風邪薬なども対象になります。 - 2.医療費控除の領収書を合計金額を計算する。
- 3.確定申告時にまとめて申告する。
- インプラント医療費控除を利用する注意点
- 1.インプラントなど医療費10万円を越えた部分で200万円までが対象です。
- 2.1月1日から12月31日までの医療費とそれに関する費用が対象です。
- 3.確定申告を毎年していなければ5年前までさかのぼれます。
- 4.所得税を支払っていない方は利用できません。